交通事故コラム

交通事故で健康保険を使うポイント

2018.03.18

交通事故で健康保険は使える?

もちろん使えます。
交通事故で健康保険が使えることについて異論を挟む人は少ないのではないでしょうか。

ただし、所定の手続が必要であることと、そもそも健康保険を使用した方が有利かという問題はあります。

特に、健康保険を使う方が有利か否かは、ケースバイケースの判断が必要です。
ある人にとっては有利でも、別な人にとっては不利になることもありますので、特に注意が必要です。

第三者による傷病届

交通事故で健康保険を使用するには所定の手続が必要です。
手続の名称は「第三者による傷病届け」と言います。

国民健康保険に加入している方は、市役所や区役所にて手続可能です。
会社の組合健保に加入している方は、組合にて手続可能です。
会社を通じて協会けんぽに加入している方は、全国健康保険協会の各地域の支部にて手続可能です。

交通事故の被害者が、この手続きをすることによって、健康保険組合等は、負担した7割分の治療を交通事故の加害者に請求することが可能となるのです。

健康保険を使用した方が有利?

保険会社による治療打ち切りの時期を遅らせるのに有利です。

交通事故の被害にあった以上、加害者が加入する保険会社に対し、適切な賠償を求める権利はあります。
しかし、保険会社も営利企業であることから、被害者の要求を全て聞き入れる訳にはいきません。

要求の内容によっては、もちろん拒否されることがあります。

その一例が、治療費支払いの打ち切りです。

保険会社は、治療費の支払いが、ケガの程度からすると高額になったと判断した場合には治療費の支払いを止める傾向にあります。

もちろん、ケガが治っているか否かも重要な判断要素になっているとは思いますが、治療費の額も判断の要素になっていることは間違いありません。

交通事故の治療は、健康保険を使用しない場合、自由診療となりますので、高額になる傾向にあります。
一方、健康保険を使用する場合には、治療内容や単価が決まっており、高額になることは少ない傾向にあります。

健康保険を使用することにより治療費が低額に抑えられることから、その結果、保険会社が、治療費を長期にわたって支払ってくれる可能性が高まります。

このことは自賠責保険の支払限度額120万円の使い方と密接に関わる問題ですが、あまり細く知る必要もないのでここでは省略します。

健康保険の使用は治療費節約に役立ち、それが治療費の支払打ち切りを遅らせる効果がある、ということを知っておいて下さい。

被害者に過失がある場合は有利

たとえば、過失割合が7:3の交通事故で、被害者にも3割程度の過失がある場合、健康保険を使用した方が受け取る示談金の額は増額します。
3割の過失がある場合、かかった治療費の3割分は被害者が負担することになることから、治療費が安く済む健康保険を使用する方が、被害者にとって有利というわけです。

上記の例でいうと、治療費が100万円かかった場合、被害者の治療費の負担は、30万円ということになります。
30万円は、示談交渉の際に、慰謝料等(慰謝料等も30%減額されます)から引かれるのが一般的です。
慰謝料を30%減額された上に、治療費の自己負担分30万円も減額されると受け取る示談金の額は極めて低額になることがお分かりいただけるのではないでしょうか?

この点、健康保険を使って治療費を30万円に抑えた場合、治療費の負担は10万円になります。

健康保険を使用するデメリット

健康保険を使用する場合、健康保険を使用して行うことが出来る治療内容は国が決めていることから、自由診療の場合と比較して治療内容が制限される傾向にあります。
リハビリテーションを実施できる期間、1週間に打つことが出来る注射の本数など様々な制限があることから、十分な治療を受けれない可能性は否定できません。

また、自由診療で治療を行うことは病院の利益にも繋がります。
健康保険を使用する場合、病院には全くメリットがないにもかかわらず、医師は、保険会社の担当者との面談を強いられるなど面倒な仕事が増えることから、結果的に医者から冷遇される可能性があります。
もっとも、病院によって経営方針が異なるため、全ての病院に当てはまるとは限りません。

治療費の節約が医師の態度に直結するようなら、健康保険を使用しない方がよい、という程度の止めておきます。

例えば、医師が病院の経営に参画している場合、健康保険の使用の有無が診療態度に影響することが考えられます。
反面、経営と治療が完全に分離している病院では影響はないと言えます。

病院に媚びることを勧めるわけではありません。
しかし、医師も人の子、数字に敏感な人も中にはいます。
しかも、昨今の診療点数引き下げの動きが医師の敏感さを後押しする傾向があります。

予断を許さず状況に応じたベストな選択になるようご注意ください。

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