交通事故コラム

腰椎椎間板ヘルニアで8級2号認定

2018.03.18

症状を改善し、かつ後遺障害の等級認定を受ける

当事務所で対応した、症状を劇的に緩和させつつも、慰謝料を最大限にUPさせた交通事故被害者の事例紹介です。

 

相談に来られたのは後遺障害の等級認定がされた約6ヶ月前のことでした。

お会いした際に非常に歩きにくそうにされていたため、最初の印象は、「腰が悪そう。」というものでした。
お話を伺うと全くその通りで、MRI画像をみて、それは確信へと変わりました。
手術適用と言われる程のものでした。

それまでの病院は典型的な3分診療


交通事故直後から受診していた医師の診察は、典型的な3分診療でした。
疑問や不安に、全く応えてくれなかったそうです。
これは交通事故被害者の患者であることも影響したかも知れません。
交通事故以外の患者であれば、歩きにくそうにしていれば腰椎疾患を疑いMRI検査などを経て、必要であれば手術適用という話しになっていたかも知れません。

しかし、この方は交通事故被害者の患者であるため邪険に扱われたおそれがあります。
特に、腰椎椎間板ヘルニアが疑われる状態であったことから、因果関係をめぐる紛争にまきこまれたくないという心証が医師にはあったのかも知れません。

当事務所の対応

直ちにMRI検査を受けて戴きました。
すると、案の定、椎間板ヘルニア(L5/S椎間板ヘルニア)が見つかりました。
第5腰椎と仙骨の間にある椎間板の突出でした。
しかも、程度はひどく、明らかにそれが原因で歩行しづらくなっていることがわかるものでした。

脊椎専門医


そこで、今度は脊椎専門医にかかって戴くことにしました。
専門医の見解も同様に、L5/S椎間板ヘルニアが原因という説明でした。
神経学的検査も専門医ならではの丁寧さで実施してもらうことができ、MRI所見との整合性を正確に確かめることも出来ました。

因果関係

さて、交通事故でヘルニアといえば因果関係が典型的な問題点です。
ここをおろそかにしては後遺障害の認定はもちろんのこと、治療費や休業補償ももらえなくなります。
ポイントとなるのは、交通事故を契機に症状が発症したかどうかです。
決して、交通事故を契機に椎間板が突出したかどうかではありません。
突出の有無ではなく、発症の有無です。

この点、脊髄専門医の中でも、特にこの点に関する見識が高い医師だけあって、丁寧に事故前の状態についてヒアリングしていきました。
その話しは本人からだけではなく、家族からも確認していました。
そして、交通事故を契機に発症したという確信を得たと言ってもらうことが出来ました。

固定術


ヘルニアの状態は酷いもので、交通事故が発生してから半年経過した時点でも強い症状が残っていました。
そこで、いよいよ手術適用ということになりました。
ご本人も症状に堪えかねていたため手術を受ける決断をしました。
また、専門医の丁寧な説明や、それまでの患者に向き合う姿勢に安心感があったことも決断した理由の一つでした。

手術方法として選択されたのは固定術という方法です。
原因となっている椎間板を取り除くのと同時に、チタン固定具で椎体をとめるという方法です。
この方法であれば、椎体間の不安定性を手術直後からなくすことができ、早期リハビリが可能となります。

このメリットは大きく、不安定な状態を放置する手術方法とことなり社会復帰がぐっと早まります。

症状改善


手術により、足に出ていた症状はほぼなくなりました。
歩きにくさもなくなり、しっかり歩行できるようになりました。
ご本人にとっても期待以上の症状緩和であったようで、大変喜んでおられました。

症状固定

手術した部分につけられた金具も安定して骨(椎体)に定着したことがCT・レントゲンで確認されたことで症状固定となりました。
症状はほぼなくなりましたが、固定術による椎体の変形と可動域制限が後遺障害等級の対象となりえます。
そのことを後遺障害診断書に書いてもらい、症状固定となりました。

後遺障害等級

自賠責保険への被害者請求を実施した結果、8級2号という比較的重い後遺障害等級が認定されました。
当初予想された後遺障害等級は、重い順に8級2号・11級7号・12級13号・14級9号です。
その中で最も重い後遺障害が認定されました。

症状緩和なのに重い後遺障害等級

この方のケースでは、手術をしないという選択肢もありました。
しかし、その場合に予想される後遺障害等級は重い順に、12級13号・14級9号です。
しかも、椎間板ヘルニアで12級13号が認定されるケースは非常に希であるため、実際には14級9号が予想されます。

おかなしな話しですが、手術を受けて症状が劇的に緩和したにもかかわらず、後遺障害等級も重くなるのが現実です。
もちろん、その後の慰謝料・逸失利益の数字も大幅に上がります。
14級のまま示談すれば手元に入る金額はせいぜい200万円程度のことろ、8級であれば3千万円を超える可能性もあります。

少しの漏れも許さない丁寧なフォロー


全ての人が手術を受ければ重い後遺障害等級になるというわけではありません。
今回のように早い段階から専門家がフォローに入り、段取りよく専門医にかかることができ、手術や因果関係のフォローが丁寧に行えることが必要条件です。

少しでも漏れがあれば8級という重い後遺障害等級につながらないことが予想されます。
後遺障害の認定機関は、交通事故被害者に認定してあげようという姿勢で審査をしているわけではありません。
むしろ、あら探しをしてでも認定を回避しようとするところだと思うのが丁度よいくらいです。

後遺障害認定のための秘訣


後遺障害等級の認定は決して簡単ではありません。
少しの失敗も許されないという厳しい面があります。
しかし、後遺障害の認定の鍵を握るのは病院や医師とのやりとりですから、ここを失敗無く乗り越えることができたなら認定されるべきものは認定されるのです。

肝心なのは、病院選びで失敗しないこと、これに尽きます。
病院選びでお困りの際は、ジコナビまでお問い合せ下さい。
きっと助けになれると思います。

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