交通事故コラム

交通事故で椎間板ヘルニアにはならない?

2018.03.18

交通事故で椎間板ヘルニアにはならないの?

交通事故において、椎間板ヘルニアは、椎間板ヘルニアそれ自体が事故によって生じたかという検討と、
無症状の椎間板ヘルニアが事故を契機に発症したかという検討
の二つが大きな課題となります。

通常問題となるのは後者です。

前者で解決できれば答えは明確ですが、ほとんどの場合ヘルニアそのものが事故で生じることはないので議論になりません。
その意味で、交通事故で椎間板ヘルニアにはならないといえます。
では、椎間板ヘルニアで、後遺障害の等級が認定されないのでしょうか。
いいえ、後遺障害の等級が認定されることはあります。

その検討が、後者の検討で、そこに登場するのが下記の考え方です。
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「寝た子を起こす」理論

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ポイントは2つです。
「元々ヘルニアはあった、しかし、無症状だった。」
「無症状だったところ、事故の衝撃を受けて発症した。」
これが「寝た子を起こす理論」です。
そおっとしておけば大人しく寝ていた椎間板ヘルニアもあるのです。
それが事故の衝撃で泣き出すことになったという比喩です。
交通事故の治療において頻出する争点です。

この理論の前提にあるのは、無症状の椎間板ヘルニアがあるということです。

多くの交通事故被害者にはこの理解がないため困惑します。
医師によっては、頑なに交通事故で椎間板ヘルニアにはならないと言います。
そのような医師は、往々にして後遺障害診断書に、「◯◯に、椎間板の膨隆が認められるが、交通事故との因果関係は認められない。」とご丁寧に記載して下さいます。
このような記載がなされると後遺障害の等級の可能性は極めて低くなります。

整形外科医は賛同はしてくれるが・・・

確かに、多くの整形外科医は「寝た子を起こす理論」に賛同しています。
しかし、それは理論的には賛成するが、後遺障害診断書に記載しない、という医師が多いのが現実です。
すなわち、「寝た子を起こす理論」を避けて通るか、その理論は肯定しつつも今回はそれには当たらないと判断することが多いようです。

ある整形外科医が言うには、

保険会社の圧力は無視できない、と言います。

保険会社に気に入られるような態度をとるわけですね。
嘆かわしいことです。

また別な医師によれば、整形外科医のおよそ半数は

出来ることなら交通事故の患者には一切関わりたくないと思っている

と言います。

交通事故被害者が医師選びを誤ると、保険会社の圧力に屈する上に、そもそもアナタのことが嫌いという医師に数ヶ月間にわたって治療を受けることになるわけです。

医師も十人十色

すべての医師が同じ性格、同じ考えを持っているわけではありません。
医学的に妥当な範囲で色々な考えが許されています。

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