交通事故コラム

外傷を負った脳の腫れなどを80%以上抑制できる治療薬の開発に成功

2018.03.18

外傷を負った脳の腫れを薬で抑制!

外傷で負った脳の腫れに対して手術することがありますが、その件数が将来的には劇的に減少するかも知れません。
脳の腫れがひどい場合には手術が行われますが、その目的は、脳ヘルニアを回避することにあります。

脳ヘルニアは生死に関わる重大な状態で、それを回避するために、腫れがひどい場合には手術が行われてきたのですが、その状況が一変しそうな研究成果が発表されました。
今回の研究成果は、手術をすることなく脳ヘルニアを回避する可能性を高める治療法の発見です。脳の腫れのメカニズムを解明したことが治療法の発見につながりました。
一般的には大変喜ばしい研究成果です。

しかし、交通事故の賠償面では注意が必要です。
なぜなら、手術をするほどのひどい脳損傷という言い方が出来なくなるためです。
脳損傷の大小に関わらず手術が行われないことになると、その後の治療経過や精密検査が重要な意味を持つようになります。
手術が行われれば、ある程度、高次脳機能障害も酷いだろうという推定が働き賠償につながりやすくなります。
しかし、その推定に期待できないケースが増えるおそれが出てきました。
その意味では、喜んでばかりいられない研究成果の発表と言えます。

詳しい発表は、4月4日付けで米国科学誌「Annals of Neurology」オンライン版に掲載されました。日本での報道は以下の記事をご参考に。

岡山大学は、交通事故などを原因とする脳外傷後に生じる脳腫脹の機序を明らかにし、急性脳腫脹に対する新しい治療法を開発したと発表した。成果は、岡山大大学院医歯薬学総合研究科薬理学の西堀正洋教授と脳神経外科学伊達勲教授らの研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、4月4日付けで米国科学誌「Annals of Neurology」オンライン版に掲載された。

脳外傷は、交通事故や転落事故を最大の原因とし、脳外科臨床あるいは救急医療において頻繁に経験される病態の1つだ。高齢化の進行する日本において、事故の犠牲となる高齢者の割合も多く、また一方で、脳外傷を含む不慮の事故は若年層の死因の上位を占めている。・・・

引用元: 岡山大、外傷を負った脳の腫れなどを80%以上抑制できる治療薬の開発に成功 | エンタープライズ | マイナビニュース.

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