後遺障害の等級認定がなされた場合
交通事故でケガをし後遺症が残存した場合、後遺障害の等級が認定された場合に限り逸失利益と後遺障害慰謝料がもらえます。
ライプニッツ係数表・逸失利益の計算に使用します。
逸失利益とは
逸失利益とは、「将来の休業補償」と思って下さい。
後遺障害が残れば労働能力は低下します。
それを補償するのが逸失利益です。
労働能力が低下してしまった場合,いくら補償が受けられるのでしょうか?
逸失利益の算出には上記表が用いられます。
具体的には、
交通事故に遭う前年度の年収(基礎収入) × 労働能力喪失率 × 67歳から自分の年齢を引いた数字に該当するライプニッツ係数(上の表)で計算します。
例えば、年収400万円で30歳の人が14級の認定を受けた場合
400万円×0.05(14級の労働能力喪失率)×16.711(37のライプニッツ係数)
=3,342,200円
その他の等級についても同様の計算となります。
- 14級の場合 逸失利益 = 基礎収入 × 5% × 67歳までのライプニッツ係数
- 12級の場合 逸失利益 = 基礎収入 × 14% × 67歳までのライプニッツ係数
- 10級の場合 逸失利益 = 基礎収入 × 27% × 67歳までのライプニッツ係数
- 05級の場合 逸失利益 = 基礎収入 × 79% × 67歳までのライプニッツ係数
- 01級の場合 逸失利益 = 基礎収入 ×100% × 67歳までのライプニッツ係数
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料とは,後遺障害が残ったことに対して支払われる慰謝料です。
後遺障害慰謝料は,年齢には関係なく,等級に応じて機械的に決まります。
弁護士が示談交渉する場合,いわゆる赤本・青本の慰謝料額となります。
一般の人が示談交渉する場合,任意保険会社が独自に作成している基準の慰謝料額となります。
後遺障害が認定されることの意味
後遺症が後遺障害等級として認定されると結局どうなるのでしょう。
上記の通り,後遺障害の等級と示談金は密接に連携します。
後遺障害の等級が上がれば,自動的に示談金も上がります。
1級が認定されると,→1級の相場の示談金,
2級が認定されると,→2級の相場の示談金,
・・・
14級が認定されると,→14級の相場の示談金,
非該当が認定されると,→非該当の相場の示談金,
ちなみに,非該当の場合は,後遺障害慰謝料も逸失利益も発生しません。
実際は,後遺障害の等級に応じて最終的な賠償金額が決まっているのです。
↓
言い方を変えると,交通事故の賠償金はある程度機械的に計算することが可能です。
したがって,後遺障害の等級が決まれば,後は等級に応じた慰謝料をベースに,個別的な事情を考慮して微調整するだけなのです。
逆に言えば,非該当の判断をされた交通事故被害者がどんなに辛い状況におかれていても,14級の賠償金を受け取ることは出来ないのです。
なぜなら,個別的な事情を熱心に主張したところで,慰謝料のベースは変わりませんので,大幅な増額など期待できないからです。
まとめ
交通事故の示談金を大きく左右するのは後遺障害の等級です。
例として実際にどのように金額が変わるかおさらいをしておきます。
このように等級が変わると,赤字で書かれた部分の金額が変わります。
その他の金額は等級が上がっても下がっても変わりがありません。
そして,お気づきかと思いますが,総額の内訳のほとんどが後遺障害等級をベースに決まってしまいます。
正当なる等級を獲得するこそ示談で納得のいく賠償金を得る一番の近道なのです。
注意事項
- 逸失利益は,14級の場合は5年に対応するライプニッツ係数を,12級の場合は10年に対応するライプニッツ係数を採用しています。
- 治療費,休業損害,入院雑費,交通費は,先に支払いをうけていたものとして既払金に含めています。
- 既払金とは,あなたの治療費を保険会社が病院に直接はらってくれた金額や,月ごとに保険会社から振り込まれていた休業損害や交通費のことを指します。
- 実際の示談では,これら以外の項目がつくこともあります。例)付添看護費,文書料,etc.
- 慰謝料や入院雑費の基準は赤本をベースにしています。
- 過失割合は,加害者100%で計算しています。
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